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タイトルにある「世の中の“つづく幸せ”」とは、何を表しているのでしょうか。そして、“つづく幸せ”を生み出してきたのが「フリー」というキーワードである、とはどういうことなのでしょうか。少し丁寧に説明してみたいと思います。
世の中の“つづく幸せ”とは
世の中の“つづく幸せ”とは、わたしたちひとりひとりがいつもの暮らしで感じている喜びのことです。もちろんそれだけはでなく、明日からも社会がこれまで通り動き、さらにもっと良くなっていくだろうという信頼感もそこに含まれています。
このような“つづく幸せ”が生み出されてきたのは、例えばバリアフリー、フェアトレード、エコといった概念がさまざまな課題から私たちを「フリー」にしてきたからではないでしょうか。
“つづく幸せ”を生み出すキーワードは「フリー」
バリアフリー、フェアトレード、エコといったコンセプトは、どんなことからわたしたちを解き放ち、「フリー」にしてきたのでしょうか。ひとつひとつ考えてみたいと思います。
バリアフリーが「フリー」にしたもの
「バリアフリー」は、生活の支障になる移動の際の物理的な障害から「フリー」になろうというコンセプトです。住まいや公共施設などから段差や重いドアなどの障害が取り除かれて、日々の外出に関わる課題が解決されてきました。
わかりやすいのは駅のバリアフリーの例ではないでしょうか。今ではほとんどの駅に設置されているエスカレーターやエレベーターは、段差から多くの人々を「フリー」にしました。
杖をついて歩く人や、ベビーカーや車いすを利用する人たちの障害となる段差が解消され、多くの人が外出先を自由に移動できる幸せを手に入れました。
フェアトレードが「フリー」にしたもの
「フェアトレード」は、生産者の暮らしに対する適正な価格にもとづいて、商品を継続的に購入・消費することを目指す活動です。この活動により、特に発展途上国の労働者たちが低賃金や不当な労働から「フリー」になりました。
フェアトレードというと、コーヒーやチョコレートを思い浮かべる方も多いと思います。美味しい飲み物やお菓子を楽しむとき、生産者も笑顔であると実感できることは“つづく幸せ”のひとつのかたちではないでしょうか。
フェアトレードは、貧困の解消や経済的自立を促進することで地域間の格差から世の中を「フリー」にしてきました。
エコが「フリー」にしたもの
「エコ」は日本ではすっかりおなじみのコンセプトですが、ゴミの分別や削減、省エネルギーを心掛けることで環境汚染などの負荷から地球を「フリー」にして、持続可能な社会を目指す考え方です。
レジ袋の有料化によるプラスチックゴミ削減の取り組みが政府主導で行われるなど、エコは今では国をあげて取り組む活動に発展しました。消費者が省エネに励んだりエコな商品を選んだりする機会も増え、中古商品の売買プラットフォームも人気を集めています。
持続可能な社会づくりに楽しく参加しながら“つづく幸せ”を生み出す、そういう仕組みが私たちの暮らしに根付いてきたということでしょう。エコは現在、私たちの暮らしを環境への負荷からもっと「フリー」にしようという取り組みになっています。
フェーズフリーで“つづく幸せ”を生み出したい
このようにバリアフリー、フェアトレード、エコといった概念はさまざまな課題から人々を「フリー」にしてきました。また、それぞれの概念が社会に浸透するにつれ、誰もが楽しみながら活動に参加できるようになってきています。
このようなさまざまな「フリー」によって“つづく幸せ”が生み出されてきましたが、日本に住む私たちには「災害」という大きな課題が残されています。わたしたちは今も災害から「フリー」になれずに、不自由なままで暮らしているのではないでしょうか。
もしも“災害に対するフリー”があったら、世の中はどう変わるのでしょう。次回で詳しく考えてみたいと思います。