原則03‗直感性

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フェーズフリーの5原則は「常活性」「日常性」「直感性」「触発性」「普及性」で構成され、各原則を表す言葉にはフェーズフリーとしての解釈が加えられています。

一般的な用語とは少し異なる意味が込められているため、5回に分けて各原則を詳しくご紹介します。今回は原則03の「直感性」がテーマです。

「直感性」が5原則のひとつに数えられる理由は、使用方法・利用シーンなどのわかりやすさを重視しているためです。

たとえば突然の地震や豪雨に見舞われたときには、その場にあるものをさっと手に取って利用したくなるのではないでしょうか。取扱説明書を広げて見慣れない道具の使い方を学ぼうとは思わないはずです。

フェーズフリーな商品・サービスには、必要なシーンで直ちに利用できる「直感性」を備えることが求められます。

「直感性」が表すものとは

「直感性」というと“初めてでも迷わずパッと使えること”というイメージが思い浮かぶのではないでしょうか。“説明書を読んだり色々と調べたりする必要がなく感覚的に使えるもの”という印象を受ける方が多いかもしれません。

フェーズフリーの「直感性」には、そういった通常の直感性を備えているほかに、使用方法や消耗・交換時期などが分かりやすいことも含まれます。

どう操作すればよいかすぐに理解できること、電池や商品自体がどの程度消耗しているか、いつ交換すればよいかを認識しやすいことが大切です。このように誰にでも使いやすく利用しやすいことを「直感性」と呼びます。

直感性を構成する要素とは

フェーズフリーの「直感性」は使用方法や利用シーンの直感的な理解しやすさ、および商品が使用できる限度の認識や交換時期のわかりやすさによって評価されます。

具体的には、一目見て何に利用できるかわかる、手に取ってすぐに使える、商品の消耗度合や電池交換のタイミングなどがわかりやすいといった性質を重視します。

一般的な商品と比較した場合に、同等かそれ以上の評価が得られる場合に“直感性が高い”と考えられます。

直感性が高い商品やサービスの具体例

例➀ 紙コップ メジャーメント

紙コップ

オフィスや家庭で飲料を飲む際に違和感なく利用できる目盛付きデザイン紙コップです。ボーダー状に色分けされたデザインが表面の目盛りの役割を兼ねています。目盛りを内側から透かし見ることで計量が可能です。

例② ランウォーク

ランウォークは「歩く」機能を追求して足への負担を軽減しつつ、ビジネスシーンにおける一般的な革靴としてのフォーマルさも備えています。ふだんからこの革靴を履いていれば、もしもの時も快適な歩行が可能です。

例③ BOCCO

BOCCOはインターネット回線を利用するコミュニケーションロボット。日常時の気軽なメッセージ送受信の延長上で非常時の安否確認を行うことができます。日常時も非常時も利用方法が変わらない点が直感性の高いポイントです。

「直感性」は“使用方法や消耗・交換時期などが分かりやすい”性質を表す原則

フェーズフリーの5原則のうち「原則03:直感性」が表すのは、使用方法や消耗・交換時期などが分かりやすいということです。

初めて利用する際も利用シーンや使い方がわかりやすいことはもちろん、いつ使用できなくなるか、交換のタイミングなどが誰にでも理解しやすいことが重要です。

商品やサービスごとに異なる特性を活かし、私たちの暮らしを心地よいものにしてくれるフェーズフリー。「原則03:直感性」は商品やサービスの利用方法、電池や商品自体がどの程度消耗しているか、いつ交換すればよいかなどを誰でも認識しやすいという性質を表します。

次回は原則04の「触発性」を詳しくご紹介します。