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フェーズフリーの5原則は「常活性」「日常性」「直感性」「触発性」「普及性」で構成され、各原則を表す言葉にはフェーズフリーとしての解釈が加えられています。

一般的な用語とは少し異なる意味も込められているため、5回に分けて各原則を詳しくご紹介します。今回は原則04の「触発性」がテーマです。

「触発性」が5原則に含まれるのは、フェーズフリーな商品やサービスがさまざまな気づきを与える性質を備えているからです。

たとえば“家族と一緒に使うと一人で使うより効果があるかも”という気づきや、“こういう方法でフェーズフリーな商品が作れるなら、分野は違うけれど自分たちにもできそうだ”といった意欲を生み出す性質といえます。

フェーズフリーの「触発性」について詳しくご説明します。

「触発性」が表すものとは

「触発性」という言葉から一般的に連想されるのは、例えば“同僚がランニングで痩せたことに触発され自分も運動を始めた”など、何らかのモノや出来事に刺激を受けて感情や行動が誘発されることでしょう。

フェーズフリーの「触発性」は、フェーズフリーな商品やサービスを通じてさまざまな気づきを与え、災害へのイメージを喚起し、新しい商品・サービス開発のきっかけを提供する性質のことです。

たとえば商品の利用者としては「いつも持ち歩くものがもしもの時も役に立つならそれに越したことはない」「バッグの中身を少しずつフェーズフリー商品に買い替えていこうかな」という想いが生まれるかもしれません。

また、商品の開発者なら「自分たちにも似たような商品が作れそうだ」「取引先に新しい商品の提案ができるかもしれない」といった発想が生まれる可能性もあります。

フェーズフリーな商品・サービスを通じてさまざまな気づきをもたらし、災害へのイメージを想起して、新しい商品・サービス開発のきっかけを提供する性質が「触発性」です。

触発性を構成する要素とは

フェーズフリーの「触発性」は次のようなポイントにより評価されます。災害を想起させるか、意識向上につながるか、新たな開発を促進するかといった点です。

具体的には、商品やサービスを利用することで災害のイメージを具体的に描けるようになるか、利用者同士が非常時のことを事前に相談したりルールを作成したりするなど会話や行動のきっかけとなっているか、開発者・提案者にとって新しい商品・サービス開発のきっかけとなっているかが重視されます。

一般的な商品と同等か、あるいはこれらの要素の評価が高い場合に“触発性が高い”といえるでしょう。

触発性が高い商品やサービスの具体例

例➀ インターナビ

運転に関わるさまざまなデータを収集・統計処理し、精度の高い情報で目的地へのナビゲーションを実現する「インターナビ」。非常時には路面状況も含めた災害情報をタイムリーに収集します。ビッグデータを活用した情報処理技術は幅広い分野への応用が期待されています。

例② ランウォーク

ビジネスシューズ「ランウォーク」は、日常時に利用できるフォーマルさを失うことなく非常時の凸凹道でも比較的歩行が容易になる独自のソール技術を採用。商品開発者の視点で考えると、自社技術の組み合わせでこれまでにない商品が生まれた事例といえます。

例③ バリクリーン

日常時は市民の憩いの場、非常時には避難所等として利用できるゴミ処理施設「バリクリーン」。日常からの価値提供という方針を設計段階から打ち出し、事業への市民の理解を得るとともに身近な場所での避難生活を実現。全国の自治体から注目を集めています。

「触発性」は“さまざまな気づきを与える”性質を表す原則

フェーズフリーの5原則のうち「原則04:触発性」が表すのは、フェーズフリーに関わるさまざまな気づきを与える性質です。

フェーズフリーな商品・サービスを通じて災害のイメージを具体的に描けるようになる、利用者同士が非常時のことを事前に相談したりルールを作成したりするなど会話や行動のきっかけとなる、開発者・提案者にとって新しい商品・サービス開発のきっかけとなるなどの特徴を備えています。

商品やサービスごとに異なる特性を活かし、私たちの暮らしを心地よいものにしてくれるフェーズフリー。「原則04:触発性」は、フェーズフリーな商品・サービスを通じてさまざまな気づきをもたらし、災害へのイメージを喚起して、新しい商品・サービス開発のきっかけを提供する性質です。

次回は原則05の「普及性」を詳しくご紹介します。