フェーズフリーの5原則:01「常活性」とは

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フェーズフリーの5原則には「常活性」「日常性」「直感性」「触発性」「普及性」があります。5原則が表す内容には一般的な用語の意味とは少し異なる部分があるため、各原則を一つずつご紹介します。

今回は原則01の「常活性」がテーマです。

「常活性」が表すものとは

「常活性」という言葉を目にして、“常活性って常に活動していること?いつも活用できる性質?読み方は?”などと疑問に思われた方が多いのではないでしょうか。

フェーズフリーの「常活性」は日常時も非常時もその商品やサービス本来の性質を活かして利用できること。いつも身のまわりに置いて便利に利用しているものを災害時にも快適に利用できること、それが「常活性」です。

常活性を構成する要素「汎用性」と「有効性」

常活性には、「日常時・非常時にどのくらい幅広いシーンで役立つか」という「汎用性」と、「それぞれのシーンでいかに高い機能を発揮できるか」という「有効性」のふたつの要素があります。

実際には、「汎用性が高い」とは商品やサービスを利用できる人や場所、タイミングや使いみちが幅広いことです。

また、「有効性が高い」商品は提供できる価値が高く、私たちのQOL(Quality of life:生活の質)を向上させてくれます。

これらの要素が一般的な商品よりも高い場合には“常活性が高い”といえるでしょう。

常活性が高い商品やサービスの具体例

例➀ PHV車

電力とガソリンの両方を燃料とするのがPHV車。ガソリンだけを利用する一般車と比べると、日常時には低燃費で長距離走行が可能な省エネな車です。非常時には一般車には不可能な電源の供給車となります。

例② パワータンク

パワータンクは、インクタンクの加圧により重力や天候の影響を受けにくいボールペンです。日常時は壁掛けカレンダーへの書き込みやベッドに横たわったままでの筆記が可能です。非常時には雨天の屋外で濡れた紙でも使用できるボールペンです。

例③ インターナビ

装着車の走行情報を集め、交通情報として配信するカーナビゲーションシステムです。精度が高くタイムリーな情報を瞬時に共有。地震・津波・豪雨などの情報も含めた天候の悪化や、通行実績のある道路の表示により道路状況の変化を知ることができます。

「常活性」は“日常時も非常時も快適に利用できる”性質を表す原則

フェーズフリーの5原則のうち「原則01:常活性」が表すのは、その商品やサービスが日常時・非常時の区別なくいつも快適に利用できるということです。

具体例でご紹介したように、日常時の価値をそのまま発揮する場合もあれば、日常時とは異なる非常時ならではの価値を発揮する場合もあります。

商品やサービスごとに異なる特性を活かし、私たちの暮らしを心地よいものにしてくれるフェーズフリー。「原則01:常活性」は商品やサービスがもつ本来の性質が“いつも”も“もしも”も常に活かされるという性質を表しています。

次回は原則02の「日常性」を詳しくご紹介します。